最悪な結末。
前回、自殺した友人の話までをここで話した。
これはその後の話である。
あの友人(と呼ぶべき?)奴が自殺した時に、一緒に泣き、
哀悼を捧げた奴が居た。
歳はひとつ上、そいつと自分は何回か会ううち、恋愛関係になった。
相手とは決して家が近いわけではなく、飛行機でお互いの行きを来する、
言わば遠距離であった。
会った回数はそんなに多くはなかった、問題が起こるまで5回位だ。
今思えば、舞い上がってしまった。
「結婚を前提にお付き合いで。」
そんな言葉につられてしまった。
お互いの親にも挨拶が済み、後は式場や婚姻や引っ越しの日取りを決めるだけだった。
そのとき問題は起こった。
好意的に迎えられてた相手の親がいきなり反対し始めた。
なんでもまぁ、その相手がまだ正社員でなかったから、という理由だけなのだが、
それはこちら側でも何度も聞かれ了承済だった。
相手は親をなだめるだろうと思っていたのだが、それがこちらの油断だった。
相手は親の言うなりになり、こちらに罵声暴力(それも支離滅裂に)
し始めたのだ。
こちらは何度も相手をなだめ、励ました。でも無駄だった。
そして真実の理由を知った。
そいつは薬物依存症だった。
見た。たしかに。TVのニュースでよく観るアレだ。
怖くなった、逃げなくてはならない一刻も早く!
でもここは飛行機で来るような場所だ。土地勘もない。
時間も夜中に近かった。
いっぱいの荷物を持って、奴の家を何とか抜けだした。
携帯電話は奴からの着信が止まらない、これがもっと恐怖を感じる事柄の始まりだった。
何とか暴力をかわし(相手の親も見てたが…)家を抜け出し、
歩いて歩いて、人のいる場所を探して助けを求めた。
泣きはらして恐怖に震えながら、タクシーを呼んでもらい、ホテルにたどり着き
飛行機の予約をしてベッドに入った。
あまりの恐怖にそこからの家に帰るまでの記憶が無い。
自分はあまりにも浅はかだった。バカだ。
何年か話してるだけの相手で会う機会が殆ど無い相手と交際なんて
バカだったのだ。
思えば、ニュースに出てくるような薬物患者の症状みたいなのは出ていた。
気づかなかった自分が情けない。
この件については後日談がある。また近々語る。